予防保全
【お知らせ】電気主任技術者の外部委託制度が改正されました(令和7年4月施行)

制度改正の背景と概要
令和7年4月1日、経済産業省より
「電気事業法施行規則第五十二条の二第一号ロの要件等に関する告示」等の一部改正が施行されました。
この改正により、主任技術者の外部委託制度を利用している需要設備において、特定の技術条件を満たせば、これまで月1回以上とされていた点検頻度を、最大で3ヶ月に1回以上に延伸できるようになりました。
<改正の内容>
低圧電路の絶縁状態及び負荷の的確な監視が可能な装置を有する需要設備であって、主遮断装置並びに保安上の責任分界点から主遮断装置までの間に施設される開閉器、遮断器及び配線が適切に更新されている需要設備について、通常、外部委託制度においては1月に1回以上とされている月次点検の頻度を、3月に1回以上とすることが認められます。
出典:経済産業省HP(令和7年4月1日)
https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/oshirase/2025/04/20250401-1.html
改正内容
改正前 | 改正後 |
---|---|
外部委託時の点検頻度は、 原則月1回以上 (なお、延伸可能な条件は改正前も存在) |
追加された条件を満たすことで、 外部委託時の点検頻度を3ヶ月に1回以上に延伸可能 また、この場合に概算係数に乗する値は0.45となる |
- 主任技術者を外部委託している場合に、設備要件を満たせば点検頻度の延伸(3ヶ月に1回など)が可能となります。
- 一方で、自社で主任技術者を選任している場合には、今回の制度改正による点検頻度緩和は直接的には適用されませんが、自社点検頻度を合理的に設定する上で準拠すべき基準として有効です。
今回の改正において、点検頻度を延伸するための4つの要件
以下の要件をすべて満たす場合に、点検頻度を「3ヶ月に1回以上」に緩和できます。
(告示第4条第8号ハ、Q&A 3.13、内規(7))
- 告示第4条第7号イからニまでの設備条件の全てに適合する信頼性の高い需要設備であること
- 低圧電路の絶縁状態の適確な監視が可能な装置が取り付けられており、かつ内規4.(7)⑤に適合していること
- 負荷の適確な監視が可能な装置が取り付けられており、かつ内規4.(7)⑦に適合していること
- 主遮断装置並びに保安上の責任分界点から主遮断装置までの間に施設される開閉器、遮断器及び配線が適切に更新されている
上記の2~4について具体的にどのような条件なのか、下記で解説いたします。
2. 低圧電路の絶縁状態の適確な監視が可能な装置が取り付けられており、かつ内規4.(7)⑤に適合していること
【内規4.(7)⑤の内容】
低圧電路の絶縁状況の適確な監視が可能な装置を有する需要設備については、警報発生時(警報動作電流(設定の上限値は50ミリアンペアとする。)以上の漏えい電流が発生している旨の警報(以下「漏えい警報」という。)を連続して5分以上受信した場合又は5分未満の漏えい警報を繰り返し受信した場合をいう。以下同じ。)に、次に掲げる処置を行うこと。
- 電気管理技術者等が、警報発生の原因を調査し、適切な措置を行う。
- 電気管理技術者等が、警報発生時の受信の記録を3年間保存する。
3. 負荷の適確な監視が可能な装置が取り付けられており、かつ内規4.(7)⑦に適合していること
【内規4.(7)⑦の内容】
電気管理技術者等が負荷の記録を1年間保存するとともに、過負荷が4時間以上継続している旨の警報を繰り返し受信した場合において、その原因を調査し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
また、「負荷の適確な監視が可能な装置」の要件としては、Q&A 3.13において以下の通り説明されています。
- 変圧器の負荷電流の計測が連続的に行えること(各変圧器の2次側電流値)
- 30分毎にデータ記録、電子記録媒体等に1年以上保存できること
- 保存したデータ履歴を表示できること
- 30分毎の変圧器の負荷電流および履歴を電気管理技術者等が遠隔地で表示、確認できること
- 変圧器の負荷電流値が4時間以上連続して定格電流値を超過した場合に警報発報して、遠隔地で直ちにその事実を覚知できること
- 装置異常時にも通知されて、遠隔地でその事実を覚知できること
- 年次点検で正常に動作していることを可能できること
- 不適当な精度でないこと
4. 主遮断装置並びに保安上の責任分界点から主遮断装置までの間に施設される開閉器、遮断器及び配線が適切に更新されている
具体的な対象としては、
一般送配電事業者との保安上の責任分界点から主遮断装置(遮断器、高圧負荷開閉器等)までの間に設置する開閉器(PAS、PGS等)、遮断器(CB、LBS、ACB、VCB等)及び引込ケーブル(CVケーブル等)を指します。
なお、責任分界点から複数のキュービクルに並列的に接続される引込ケーブル(渡りケーブル)がある場合においては、その全てのケーブル及び主遮断装置までが対象範囲となります。
弊社製品「漏電ポリス」で要件に対応へ
弊社の「漏電ポリス」は、絶縁状態や負荷の状態をリアルタイムで常時監視し、異常を検知した際には即時にアラート通知を行います。
また、測定データはクラウド上で履歴管理が可能で、CSV形式での出力にも対応しています。
これにより、制度で求められている「絶縁状態および負荷の的確な監視が可能な装置」の要件を、満たすことができます。
さらに、他の適合条件や設備の更新計画を併せて整えることで、従来は月1回以上とされていた点検が、3ヶ月に1回へと延伸可能となり、点検回数の削減によるコストダウンや業務負担の軽減といった効果が期待できます。また、24時間体制の監視によって、絶縁劣化や過負荷などのトラブルの兆候をリアルタイムで把握できるため、従来の定期点検ではカバーしきれなかった予兆管理や未然防止にもつながります。
加えて、制度上の評価点(換算点数)も圧縮されるため、委託先の管理可能件数が拡大し、人手不足が課題となっている保安業界全体の効率化と持続可能性の向上にも寄与します。
ぜひこの機会に、制度改正への対応と点検業務の省力化を実現するため、弊社製品の導入をご検討ください。詳細な仕様や要件への適合状況、導入事例などもご案内可能です。お気軽に弊社までお問い合わせください。
漏電ポリス 製品ページ
https://www.takenakadenki.co.jp/products/insulation_solutions/rdp.html
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